各種報道による中国の内政崩壊は真実ではありますが、皮肉なことに内政崩壊によって国力が更に増強されており、このまま内政の機能不全が進行すると更に飛躍的な高度経済成長を引き起こしかねません。
中国の内政崩壊によって国力が衰退するわけはないので、このような報道に惑わせれてはいけません。
以前の中国は、政府の総理大臣であるリカチャン(李克強)が必死に内政崩壊を防いでおり、リカチャンが頑張っている限りは問題なかったのですが、徐々にリカチャンの権限が奪われて総理の退任に至って、内政崩壊に対する最後の防波堤が決壊し、現在の内政崩壊に至っています。
現在の総理は中国の国家主席のイエスマンであるリチャン(李強)で、おそらく内政崩壊はまずいと内心思っていても、イエスマンであることから、内政崩壊に対してなすすべがない状況です。
基本的には、内政崩壊は国力衰退を引き起こし、内政堅持は国力増強を引き起こします。
ただし、特殊な条件下においては、内政崩壊は国力増強を引き起こし、逆に内政堅持が国力を衰退させるという皮肉な結果になります。
その特殊な条件とは、需要に対して供給がはるかに高い状態であり異常なデフレ状態であったり、貯蓄が異様に肥大化することです。
強烈なデフレ下にある現在の中国や、バブル崩壊後から2020年以前のいわゆる失われた30年の異常なデフレ下にあったかつての日本です。
正統な経済政策では、ハイパーインフレを防ぐために、国家債務を健全化させるプライマリーバランス黒字化よる緊縮財政が正解であり、通常の条件下においては、経済秩序を保つためには必須であるわけです。
経済秩序を保つためには内政堅持が必須条件であり、多くの場合、内政崩壊により貨幣乱発を引き起こし、ハイパーインフレーが加速し、国家が急速に衰亡し破綻に至るわけです。
ハイパーインフレは、貨幣流通量の加速による需要の大幅な亢進が供給能力が上回ることによって引き起こされます。
バブル崩壊後から2020年までの日本は、需要に対して供給能力がはるかに上回っており、かつ、貯蓄が異様に肥大化していたため、マイナス金利によるジャブジャブな貨幣供給やバラマキ政策をしても焼け石に水で、乱発された貨幣は円キャリートレードに向かい、バラマキのお金は貯蓄に向かい、貨幣流通量が欠乏し激しいデフレに見舞われたわけです。
日本の政治家や官僚は何かにつけ批判されますが、世界基準で見ると日本の政治家は正義感や責任感に溢れており、官僚も正義感や責任感に溢れ、かつ、非常に優秀なために、内政が完璧に近く機能し続けたため、当然、国家国民が一丸となって財政健全化に突き進んだわけであり、また、バブル崩壊後は不良債権の処理を貫徹してモラル崩壊を防いだわけです。
通常の条件下ではこれが正解であるわけですが、需要に対して供給能力がはるかに上回っており、かつ、貯蓄が異様に肥大化していたため、実は、財政健全化を崩壊させて貨幣を乱発することが国力増強をさせるための正解であったわけで、財政健全化はデフレを加速させ国力を衰退させる結果になったわけです。
この頃の日本は、供給能力と貯蓄肥大化により、いくら貨幣を乱発しても、需要が供給を上回ることがないので、ハイパーインフレが起きないわけで、むしろ、需要が満たされることによって、更に供給能力が向上し、それが乱発された貨幣を吸収し、正のスパイラルに入って高度経済成長し、国力が増強されたわけです。
最近になって、遅まきながら、高市首相や国民民主党、参政党がそれに気づいたわけですが、時に既に遅しで長年のデフレで供給能力が破壊されインフレが進行し、貨幣の乱発ができなくなったわけで、経済成長の好機を逃して、残念ながら国力衰退が決定したわけで、もはや手遅れであり、日本の経済成長が構造的に不可能になったわけです。
従って、かつての日本は内政堅持が国力衰退を引き起こしたわけです。
これに対して現在の中国は、需要に対して、供給能力が異常に肥大化したハイパーデフレの状況であるわけで、貨幣を乱発してもハイパーインフレに程遠い状況なわけです。
かつての中国は内政が機能し経済政策も機能していたわけですが、現在の中国は内政が崩壊し経済政策も機能しなくなり、地方政府と結託した国策企業の不良債権処理もできなくなり、内政崩壊によるモラル低下により、表面的には財政健全化を謳っていても実情は地方政府と結託したゾンビ企業への資金流失が加速し、実質的な貨幣乱発状態に陥ったわけです。
内政が機能しモラルが維持されていたころは、ハイパーデフレで不動産や製造業の毀損が始まりかけたわけですが、内政崩壊による政府のモラル消失による貨幣乱発で、次第に需要が満たされはじめ、やがては、供給能力の毀損に歯止めがかかり、供給能力が健全化し、それが国力増強につながるわけです。
このまま、中国の内政崩壊が継続すると、更なる貨幣乱発により、需要が満たされることによって、更に供給能力が向上し、それが乱発された貨幣を吸収し、正のスパイラルに入って高度経済成長し、国力が飛躍的に増強されることになります。
中国の内政崩壊の報道に惑わされ、中国自体の崩壊を期待するムードもありますが、冷徹に数値で見ることが重要です。
中国における2024年の貿易収支は9921億ドルの黒字、サービス収支は2290億ドルの赤字、サービス・貿易収支が7631億ドルの黒字ですが、一方、日本のサービス・貿易収支が184億ドルの赤字です。
2025年は、中国の収支は更に増大の見込みで、一方、日本は赤字がやや減る状況ということで、数字から見ると中国の国力肥大化が加速する一方、日本は、なんとか国力衰亡を食い止める攻防する状況です。
中国の内政が崩壊しているにもかかわらず、サービス・貿易収支がダントツで高く、国力が肥大化しているのはこのことが原因なのです。
日本から見ての唯一の希望は、他力本願でありますが、中国政府の総理大臣であるリチャンが面従腹背をして表面では国家主席に対してイエスマンのポーズをとりながらも、裏では巧みに国家主席の指示を骨抜きにして内政を立て直すことにより政府のモラルを回復して、貨幣乱発を抑制し、中国の異常ともいえる経済拡張が抑制され、国力肥大化に歯止めがかかることですが、そう日本の都合の良いようになるのでしょうか?

